安形です。4月に1週間ほど地元の求人誌(web含む)へ総務の求人掲載をしました。年度の切り替えである4月の入社を目指していた方はすでに働きはじめているでしょうし、この時期に採用活動をするからにはそれなりの応募人数になってしまうだろうと覚悟をしていました。わたしは当社の知名度や雇用条件、時期などを考えたとき、10名ほどの応募がやっとで、そのなかで3名ほど面談ができればと考えていたのです。しかし、いざ応募が開始されると予想を超える多数の応募がありまして、本当に驚きました。もともと職業人口の多い職種であるだけに、時期的な不安要素はなかったかもしれません。
とはいえ、ベストを尽くしました。大企業や、有名企業が行っている採用活動を真似ても、残念ながら予算や知名度で負けてしまいます。背伸びせず、かっこつけず、等身大で、嘘をつかない。限られた条件、時間のなかでベストを尽くす。我々の仕事、発信できることの全てはこのスタンスであり、採用活動もそのひとつでありました。
なにより入社ギャップを可能な限り少なくするために、今回の募集背景、契約内容や社風などをできるだけテキスト化して掲載し、これを読んでもらったうえで応募フォームに辿り着けるようにしました。「この会社はいろいろと面倒くさいなぁ」と感じた方はここで応募を断念するはずですし、とにかく当社に対してどんなことでも感想を持ってもらうことが必要だと感じたわけです。(そういうことも含めて応募は少ないと思っていたのですがね)
しかし、当社にとってもわたしにとっても、このような応募人数を管理したことがなく、エントリーデータをひとつひとつ確認していくと、いつの間にか時間が過ぎてしまいました。自社の採用フォーム(メールフォーム)で事足りると考えていたわたしが甘く、自社のシステムの場合であれば尚更、応募の多い少ないに関わらずステータス管理は必要で、素直に求人サイトのシステムで受付をするべきであったと反省しました。なんとかメーラーのフラグで管理をしたものの、量が多くて大変な思いをしました。また基本的に、ご応募いただいた方には次のステップへ進む方のみ連絡をしていましたが、やはり一人一人様々な思いを込めて応募してくださったことを考えると、全ての方へ連絡をするのがベストであったと、これも反省点です。 進行管理が思い通りにいかなかったことは私の想定不足ではありましたが、ひとつひとつ慎重に丁寧に、何度も目を通させていただいたことをこちらでお伝えできればと思います。ご応募頂いた方たち全員に、感謝いたします。
今回、面談の終盤で「この人と働きたい」と感じた方が数名いました。候補ではなく「働きたい」です。当社のような零細規模の会社で総務経理を社内に置くことさえ時代遅れと言われているなかで、さすがに数名雇用するわけにもいかず、どうしても最終的に1人を選ばなければならなかったときの悔しい気持ちは、なににも例えようのないものでした。大きな会社であれば、良い人材がいたから5名枠から1名追加して、なんてことができるでしょうけれど(しないですかねw)さすがに今回はそれができませんでした。しかしこれがデザイナーやエンジニアだったらよかったかもしれません。去年の4月にエンジニア1名採用のところ、予算すっとばして2名採用してしまいましたから。
わたしにできるできないはさて置き、働きたい人と働くために、会社を大きくするというのは胸が踊るような気持ちになりますし、いつかそんな雇用ができたらと考えています。(事業を拡大しようとしていない、なんてことありませんからね!特にお客様!!)
設立して2年半、社員数は増加しましたが退職者はすでに2名います。わたしと淺川を除く社員数が9名、1年に1人のペースであれば離職率は10%を超えているということで、これが数値として多いのか少ないのかはわかりません。
「目標があるから」「働きたい会社があるから」「家庭の事情」「働きづらくなったから」「この会社にいたくないから」退職者には様々な理由や背景があります。しかし、それがどんな理由であれ、会社にとっては1人の社員が辞めるということに変わりはありません。(一応どれも円満退職?で、送り出すことができたと思いこんではいますがw)
そしてわたしはそれがどんな事情、どんな個人的な理由であれ、「この会社で働き続けたい」と思わせることができなかったことを、その時、素直に悔しいと感じます。わたしは、当社で働く全社員にとって、当社で働くことが最高の選択であること、当社が社員にとって自己実現の場であるようにと、これまで経営してきたつもりだからです。本音を言えば、一緒に働いてきた仲間に対して手を振り、がんばってねと送り出すことが、ただただ寂しいだけなのですが、わたしは経営者としてこういうことに慣れていないだけなんでしょうね、きっと。
ひとつの組織に所属し働くことを生活の主軸とする、そんなことさえ時代遅れになってきました。ひとつひとつを悔いていては仕方がないでしょう。しかしわたしは、社員達が働いているときも、当社を去るときも「月虹製作で働いていてよかった」と感じてくれるよう、ひとつひとつの出来事に瞬間的に、徹底的に悔いて、そして忘れ、今後も当社の魅力を磨いていくつもりです。
ということで、無事に雇用することができました。いつかここで紹介させていただきます。