電波時計をネタにサマータイムについて考えて見た。

日本での時刻について、2種類の時刻があります。

・世界標準時
・日本標準時

です。

世界標準時は、イギリスのグリニッジ天文台の位置を0とする時刻で、GMTやUTCと表記される事が多いです。日本標準時は、世界標準時+9時間として定義されていて,JSTと表記される事が多いです。日本サマータイムは、この日本標準時を2時間ずらす事で実現する事になります。

なので、時刻の種類が一つ増え3つになる事になります。
　　　　

・世界標準時
・日本標準時(世界標準時+9時間)
・日本サマータイム(世界標準時＋11)

です。

この3つになるという前提無しに議論すると混乱します。ちなみに、アメリカ東部標準時は、EST(UTC-5)ですが、
サマータイムは、EDTと表記されて,ESTを+1した時刻で、(UTC-4)と表記されます。

電波時計は、JJYの電波を受けて表示しています。JJYは、日本標準時(JST)を電波で発信するというシステムです。

日本サマータイムは、日本標準時そのものを2時間ずらすわけではありませんからJJYから発信される時刻は変わりませんので電波時計の表示はそのままです。電波時計の中で、サマータイムを表示可能になってるワールドクロックもありますが、あれは内部に各国のサマータイムを含む各国標準時間と各国サマータイムの時差を持っているからです。なので、電波時計が日本サマータイムを表示するには、日本サマータイムの定義を内部に持っていない今は全ての電波時計が日本サマータイムの表示はできません。

もちろん、JJYの定義を、日本サマータイムを含む現在時刻を発信すると定義し直す事にすれば電波時計の表示の辻褄合わせはできます。すると、日本標準時と他国の時差が変わるのでワールドクロックの表示がおかしくなります。
そのほかにも、JJYの時刻-9を世界標準時として利用してるシステムはありますから、JJYから日本サマータイムを送信するとそれらのシステムが狂います。

なので、JJYから、日本サマータイムを送信すればいいという意見は世間知らずの乱暴な意見だと言う事になります。ワールドクロックの例でわかる様に、日本の時刻を「表示」すると言う観点だけでサマータイムを語るべきではありません。